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千代田区 税理士の人気の秘密とは

T下水道局、T大学応用微生物研究所、K研究所、その後身のK研究所でずっと汚水の処理と取り組み、現在はT大学に移ったS氏が言うように、洗濯用洗剤の選択は自由でよいのだ。
センタクの自由を守れ!エコロジカルな視点から大事なことは、どちらを使うにしる環境に対する負荷を小さくすること、具体的にはなるべく使用量を少なくすることであり、未処理のまま水系へ排出しないことだ。 いまや家庭雑排水が河川の最大の汚染源になっているのだから、とくに後者が重要である。
そしてこれは、下水道の整備を待たねばできないことではない。 屎尿処理のみの単機能浄化槽を、雑排水も処理する合併浄化槽に替えれば対応できる。

そもそも、流域下水道は環境技術として万能ではない。 土建業者の利益のために計画されると酷評する人もいるほどで、視程の短い衛生思想から生まれた「都市の浅知恵」である。
そんなものに頼るしかスベのない過密都市では仕方がないとしても、敷地に余裕がある農村地帯なら、民間の農学者、N氏が考案した土壌圏微生物の働きを利用する土壌浄化法も使える。 これなら畜産排水の処理にも有効である。
トリハロメタン騒動を総括する水道普及率が95パーセントに達し、大半が河川に水源を求めている日本では、水系の保全、河川水の水質は飲み水と密接に関係している。 水道といえば、私は1980年代の初めに東京都水道局金町浄水場を訪ねたことがある。
すでに水道水中に発ガン物質トリハロメタンが存在することは確認されていた。 だが、マスコミはまだ大騒ぎしていなかったと思う。
私の取材目的もトリハロメタン対策を探ることではなく、利根川江戸川水系最下流に位置する浄水場で、汚れた原水から飲める水をつくる過程での活性炭の役割を確かめることだった。 そのときのやりとりのなかでもっとも印象的だったのは、「浄水場で活性炭を必要とするのは文明社会の不幸です」という担当技術者の言葉である。
たしかに、文明とは、意図したことではないにせよ「水の惑星」を「汚水の惑星」に変える営みだったのかもしれない。 その汚水の惑星の一角で、水道水が危ないと騒がれはじめたのは、水道水に微量の好ましくない有機化合物の含まれていることが一般に知られるようになってからだ。
とりわけ、原水中にはなく、浄水処理過程で生成されるトリハロメタンは、「水道局が発ガン物質をつくっている」と非難され、80年代の悪役のトップスターになった。 いまでも環境論がらみで水道水が語られるときには、真っ先に引き合いにだされる。
かくも悪名高いトリハロメタンとは、メタンの水素原子3個がハロゲンと置換した化浄水過程で投入される塩素が反応してできる。 慣行の浄水法では、消毒・殺菌および給配水中の残留効果のための塩素(後塩素)とは別に、処理の第一段階でアンモニア性窒素、鉄、マンガン、有機物を除去するために塩素が投入され、主としてこの前塩素のほうがトリハロメタン生成の元凶となる。
原水の汚れがひどいということは、たいてい有機物量が多いということであり、その処理のために投入される塩素量も増える。 必然的にトリハロメタンも多くなるわけだ。
これを回避するためには、前塩素をやめて生物処理・オゾン処理・活性炭処理を組み込んだ高度処理と呼ばれる浄水法に転換する必要がある。 そのことは早くからわかっていた。
しかし、体質として機敏性を欠くゆえに、行政の対応はすばやくなかった。 とりあえず、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロロホルムの4物質を総トリハロメタンとして、年間平均100ppm(一リットル中0.1ミリグラム)という暫定的な制御目標値を設定、対応策はじっくり(?)検討するという姿勢である。

なにしろ、東京・金町や大阪府、千葉県などで高度浄水処理への転換が具体化したのは90年代にはいってからだ。 好意的に見れば、世論を喚起して重い足どりの行政をプッシュしようという意図があったのだろうか、一部のマスコミは「コワイヨ、コワイヨ」という情報をタレ流した。
その結果、「水道水は危ない」という思い込みと漠然とした不安感が広がった。 つまり、この騒ぎは半分以上、メディアがつくり出したものだ。
水道水の「危険度」を評価するむろん、トリハロメタンの存在という「問題」はあった。 早くからその問題を指摘し、行政的対応の必要を説いていたN氏らの仕事を私は尊敬している。
しかし、センセーショナルに仕立てたいマスコミの要請に応えて「コワイョ」を増幅させるコメントで協力したことには同意できないし、そういう扱いをしたマスコミは激しくケーベッする。 さて、ではトリハロメタンは、ほんとうのところどれくらいコワイのか。
トリハロメタンの暫定制御目標値は、生涯発ガン確率十万分の一、つまり一日二リットルの生水を70年間飲み続けると、十万人に一人がガンになる、という数字である。 たしかに危険性はある。

しかし、死亡十万人あたり二万六千人の死因はガンだという現実があり、平均寿命が現在と同じであるなら、よほど画期的な予防・治療技術が出現しないかぎり、この数字は今後もあまり変わらないと予測されているとき、その危険性はゼロではないがほとんどゼロに近いと考えるのが妥当ではないのか。 この点については次章でも触れるので、ここでは私が勝手に尊敬し信頼を寄せている水道技術者・K氏の言葉を引用しておく。
マーケティングに貢献する言説とは現在、厚生省は水道水の水質基準の見直しを行なっている。 早ければ平成4年度には、いくつかの合成有機化合物について新たに基準を設定した省令が出されるだろう。
前述のように高度処理への転換も一部では始まっている。 鈍足に見え、対応がつねに後追いになりがちだとしても、行政はそれなりのことをやっているわけだ。
そして、それなりのことをやらせるために、「水道水が危ない」のバカ騒ぎが役立ったとは思えない。 唯一、それが役立ったのは、浄水器とボトル入り名水の売上げ増進という面だったのではないだろうか。
「現在程度の濃度だったら、トリハロメタンの危険度は一生の間に海水浴に一〜二回いく、あるいは飛行機に一回のる程度のものだから、その程度に恐がるべきで」ある。 しかし、「ないほうがいいには違いないから、減らす努力はしなくてはいけない」これは中西準子氏の質問に小島氏が答えるかたちで構成された『日本の水道はよくなりますか』に収載されている一節である。
これ以上、付け加えることはない。 なお、トリハロメタン以外にも、変異原性、発ガン性ありとされている物質が微量ながら十数種類、過去に(一度にではない)水道水から検出されているが、これに対しても「バランスを保った恐がり方」をすべきだと思う。
なにやら、若い評論家のO氏がU氏との論争で「フェミニズムはつまり結果的にはマーケティング手段として80年代消費社会で機能していった」と指摘したことを思い起こすが、私は必ずしもマーケティングに応用されてしまうことが思想の未熟さを物語るとは考えない。 ついでに言ってしまうと、エコビジネス(それにしても奇怪な言葉だ)はすべて「もう一つの環境破壊」に向かう性質のものだが、なにがしかの対症療法的な有効性をもっていたら、あえて反対することもないと思う。

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